ラーメンの作り方
必要なモノ
たれ(返し)
スープ
出汁
香味油
具材
麺
手順
①麺茹で用の鍋、スープ温め用の鍋、湯切り用ざる、丼を用意する。
②鍋に水をはり火をつける。そのときに丼を鍋に乗せあたためておく。
③もう一つの鍋にスープを作成分温める。(蒸発するので多めに)
④丼があたたまったら、内側の水分を拭き、
タレ(返し)、香味油、好みの薬味(胡椒、刻んだ葱など)をいれる。
⑤沸騰直後に麺が茹で上がるようにスープの火加減を調節する。
⑥沸騰したら麺をいれ菜箸でかき混ぜる。
⑦麺が茹で上がる前にスープを沸騰直前まで温め丼に注ぐ。
⑧麺をざるに写し2~3度湯切りする
⑨スープのはいった丼に麺をいれ上部の香味油をまとわせるように菜箸で整える。
⑩好みの具材をのせる。
完成
美味しくするためのコツ
数値管理
※素材により重さが異なるので、水以外すべてg表記(重量表記)で統一します。
その為には、塩分濃度、スープ濃度と計量、温度が重要です。
塩分濃度
人間がおいしく感じる塩分濃度は0.9%といわれています。
完成時、スープ、タレ、香味油、麺(茹で上がり)の総重量の塩分濃度が0.9%になるような
(厳密にいえば具材も合わせた重量であるが)
タレを作るのが前提である。
例えば、一般的な醤油の塩分濃度は、16%~17%である。(16%として考えると)
醤油30g(塩分 4.8g)
スープ300g、香味油15g→315g
生麺120g(茹で上がり1.7倍とする)→204g
30g+315g+204g=549g
549g*0.9%→4.941g
4.941gがこのラーメンの総重量にたいして適正な塩分量ということがわかります。
そうすると、醤油4.8gだと薄味になります。
※もちろん醤油だけだと美味しくありません、タレ(返し)にて詳しくお伝えします)
このレシピ重量の場合
30gの醤油に4.941gの塩分を含ませるタレ(返し)を作る必要があり
そこからがラーメン作りのスタートになります。
しかし、この、スタート時の基準を理解するだけで、毎回同じ味が出せることと
毎回、変化させ進化させていくことも可能になります。
総重量の0.9%前後を基準として調整していくこと。
但し、醤油、塩など素材によって同じ塩分濃度でも感じ方は違う。
同じ塩分量でも醤油は、旨みを伴った塩感で、塩単体では、純粋な塩感がある。
醤油、塩など塩分を伴う調味料をバランスよく組み合わせるのが難しくもあり
楽しくもあります。
味見について
ラーメンの味見が難しいのは、油の影響です。
お客様に提供しまず、最初、一口スープを飲むパターンが多いので、
作る側もスープの味見には慎重になり何度も味見を繰り返します。
しかし、スープを一口いれただけで、口内、舌の上に油がまとわりつき
2口目は正確な味の判断は難しくなります。
お客様が求めているのは、ファーストインプレッションと持続性です。
一口目が美味しくても、食べているとしょっぱいなと感じた経験ないでしょうか。
より美味しくを目指す上で陥りがちなのは、何度も味見をしすぎて
舌が麻痺してしまい、インパクトをより求めてしまうことで
自分は美味しく感じるのにおかしいな、となります。
こうなってくると、訳がわからなくなり、迷宮にはまります。
味見は、1回、せいぜい2回にし、
一旦、良く口をすすぎ、落ち着いてから行いましょう。
また、ラーメンを食べる時間を、ファースト、序盤、中盤、終盤と
イメージし味見することでより美味しいものが出来上がると思います。
スープ濃度について
ラーメンがスープ、タレと別れて用意し提供時に合わせるという作り方は
常に同じ味を熱々でだすということで生まれた部分があります。
最近はかなり増えましたが、スープ完成させ冷やしておき提供時に
鍋に必要分量をいれ温めてつくる。
要は、出来上がったスープを加熱し続けないということです。
(濃度が変わってしまうので)
この、メリットは、スープの味、濃度が毎回一定に保たれることです。
デメリットは手間がかかることです。
常に、大鍋に火をいれて高温を保ち提供しているお店もありますが、
味の均一化は難しく、出来ているお店はその店独特の管理法があると思います。
炊きだしと呼ばれる方法などは、時間ごとにお客様の流れが想定でき
それに合わせてピークをもっていくという方法です。
要はスープの温度と濃度が一定で塩分濃度も一定であればどんな方法でも良いということです。
濃度とは、水に対してどの程度素材成分や油脂が溶けていることを
定量的に表現していることです。
通常のラーメンスープの濃度は
東京ラーメン的な一般的な醤油ラーメン 2~4%
横浜ラーメン的濃厚醤油ラーメン 6~7%
濃厚博多豚骨ラーメン 10%~
※上記の数値はタレ(返し)と合わせるまえです。
スープ濃度が高いほど、旨み、厚み、コクなどが感じられます。
また、油脂分を溶かした濃度には、脂の甘味、コッテリ感が目立ってきます。
濃度が低くても魚介乾物系の濃度は、深み、出汁感を感じさせます。
濃度は高ければ良いというものではありませんが、4%以上あったほうが、
ラーメンとして美味しいと思います。
但し、スープには投入する素材によって味のピークがあり
それ以上の加熱は、不味くなります。
酸味というか、こげ感というか。
そこを踏まえると、家庭では、
スープを作り(その間に、タレ(返し)具材を作る)完成させ
一度冷まし(冷ますことで残りは保存でき)
必要分量だけ加熱して作る方が美味しく仕上がると思います。
※けっして沸騰状態を続けない、煮詰まらせないこと
現在のラーメン屋さん
現在、有名店と呼ばれているお店は、必ず、塩分計、濃度計、温度計、などを使い、
人間の舌だけに頼らずに定量的(数字にできる)に味を作っています。
ただし、最後に判断するのは人間なので、最終的には味見ですが、
入念に、数字をもとに濃くしたり、薄くしたりを季節、天気などをもとに
微調整を繰り返しながらもっと美味しくしようと思いながら作り続けています。
ちなみに、塩分計、濃度計など今は、ネットでだれでも買えますので、
趣味のひとつとして取り揃えれば、
ラーメン以外の麺類、スープ類についての
造詣がさらに深まり楽しくなるでしょう。